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これからの法改正の動き

これからの法改正の動き

デジタル化等で多様化する資金決済への規制見直し

デジタル化等の経済・社会の変化のなかで、送金・決済・与信サービスなどの規制のあり方について検討を行なう必要があるとして、金融審議会に「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」が設置されました。その事務局説明資料では、以下の項目が「ご議論いただきたい事項」として挙げられています。

送金分野

・資金移動業
資金移動業者(内閣総理大臣の登録を受けた、銀行以外の為替取引業者)が破綻した際、迅速な利用者資金の還付のため、供託手続きのみならず、銀行や信託会社から直接利用者に対して資金返還を行なう方法を認めることについてどう考えるか。

・クロスボーダー収納代行
さまざまな目的で国境を越えた送金を行なうクロスボーダーの収納代行サービスについて、信用リスク、支払遅延リスク、マネーローンダリング等防止の観点から、為替取引に関する規制を適用することについてどう考えるか。

暗号資産等分野

・暗号資産
グローバルに活動する暗号資産交換業者が破綻した場合などに、国内の利用者に対する財産の返還を担保するための規制のあり方についてどう考えるか。

・ステーブルコイン
海外では、特定信託受益権型のステーブルコイン(信託会社等により発行される、金銭信託を用いた電子決済手段の一類型)の裏付け資産について、一定の条件を課したうえで預金以外の資産での運用を認めている例もある。
日本国内では、現在預貯金で管理されている裏付け資産の管理・運用方法についてどう考えるか。

その他

・立替サービス
立替サービス(事業者が資金を立て替え、後で利用者に立替金を請求するサービス)と、貸金業者による与信や資金移動業者による送金との関係についてどう考えるか。

・外国銀行等のシンジケートローン参加
国内銀行等が組成する外貨建てシンジケートローン(複数の金融機関が協調して行なうローン)に、外国の金融機関等が参加するに当たって、日本国内に支店・営業所等を設置することが求められている現行の規制についてどう考えるか。
ワーキング・グループでの議論を経て、金融庁は資金決済法の改正を検討する予定です。

注目したい法改正の動向

  • 宇宙輸送の推進
  • 「骨太の方針2024」では、民間企業による新たな宇宙輸送等を実現するため、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」(以下、「宇宙活動法」)の改正を視野に、2024年度内に制度見直しの考え方を取りまとめる、とされています。
    この方針を受け、宇宙政策委員会に「宇宙活動法の見直しに関する小委員会」が設置され、12月までに中間とりまとめの骨子案を示す予定です。
  • 損害保険の信頼回復
  • 損害保険業界における保険金不正請求事案や保険料調整行為事案などを受け、保険市場の信頼の確保と健全な発展に向けた方策を検討するための「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」が設けられました。
    大規模な保険代理店への規制強化、保険仲介人制度のありかたなどについて、保険業法の改正も視野に入れつつ検討されます。
  • 原付税制の調整
  • 道路運送車両法の改正によって、原付の基準が変わります。
    現在は総排気量50㏄以下とされている「一般原動機付自転車」に、最高出力を4.0kW 以下に制御した総排気量125㏄以下の二輪車が新たに区分されることになります。
    ここで調整が検討されているのが「原付税制」です。新基準の原付にこれまでの原付税制が適用されるのか、与党税制調査会で検討されます。
  • 再審法改正への動き
  • 再審における袴田巌さんの無罪判決を受けて、再審法改正を求める声が高まっています。超党派で結成された「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」の加入者は、300人を超えました。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック