事業者には、労働者(事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者)が労働災害により休業もしくは死亡した場合、労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署長に電子申請により提出する義務が課されています。
令和7年の労働安全衛生法の改正により、個人事業者(事業を行なう者で、労働者を使用しないもの)や中小企業の役員等(以下、「個人事業者等」)についても労働者死傷病報告義務の対象とされ、所要の改正が行なわれました。
個人事業者が、労働者と同一の場所で行なう仕事による事故等の業務災害により死亡または4日以上の休業をした場合(過重労働等を原因とする脳血管疾患、心臓疾患、または精神障害に至った場合を除く)、特定注文者または災害発生場所管理事業者に、労働者死傷病報告が義務付けられます。
「特定注文者」とは、労働災害に遭った個人事業者に仕事を発注し、かつ当該事業者と同じ場所で仕事を行なう事業者をいいます。
当該仕事が数次の請負契約によって行なわれ、特定注文者に該当する者が複数あるときは、それらの者のうち当該個人事業者に対して仕事を発注している最も後次の注文者が報告義務の対象となります。
「災害発生場所管理事業者」とは、労働災害発生時に個人事業者が仕事を行なっていた場所を管理する事業者をいいます。
業務災害の発生場所に、特定注文者がいない場合には、災害発生場所管理事業者が報告義務を負います。
中小企業の役員等が同様の労災に遭った場合は、当該中小企業の事業者に対し、労働者死傷病報告が義務付けられます。
なお、個人事業者等が、過重労働等を原因とする脳血管疾患、心臓疾患または精神障害を原因とする自殺による死亡、または休業に至った場合においては、当該個人事業者等が、所轄の労働基準監督署長への報告をできるとされています。
労働者死傷病報告は電子申請が義務とされていますが、当分の間、書面により行なうことができます。
本改正は令和9年1月1日に施行されます。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック